月の絆~最初で最後の運命のあなた~
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枕とは違って、ごつごつして寝心地は悪いんだけど、気持ちのいい温かさにあたしは目を覚ました。
脚がなんとなく痛くて、目の前は暗い。
不思議に思いながら体を起こそうとして、違和感を覚えた。
すると、頭の上から声が降ってくる。
「マリア? 起きたんだろう」
静かで感情を押し殺したような狼呀の声に、あたしは落ち着かない気持ちで体を起こした。
「なんで……ここにいるの?」
恐る恐る聞いた。少しだけ、暗いのがありがたい。
今の狼呀は、なんだか怖かった。
「なんでここにいるか? そりゃ、これが俺の車だから」
「えっ……だって、あたしは」
レンの家にいたはず。
彼に血を飲ませて、意識を失ったはずなのだ。
少し視線を周りに向けると、たしかに車の中なのは分かった。
でも何で?