月の絆~最初で最後の運命のあなた~
「また、あいつに噛ませたのか?」
「は?」
首に手をやると、いつもレンが噛み痕が見えないように貼ってくれるガーゼがなかった。
「あいつの本性は分かってるだろ。血を吸い、恍惚を感じさせている間に……殺すんだよ」
狼呀の目は、軽蔑と憎悪が浮かんでいた。
「レンはあたしを殺さない。殺すのは犯罪者だけよ。それに――」
あたしは、狼呀の胸を両手で押して離れた。
「そいつを殺すとき、レンは恍惚じゃなくて……恐怖を味わわせるのよ」
そんな事、きちんと理解している。
それも、金で罪を揉み消したり、うまいこと逃げきっているような最低な奴等を狙う。
だからこそ、あたしはレンが好きなのだ。