月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 そうしなければ、絆を失って狂暴なまでに高ぶった感情が静められない。


「そりゃあ、かまわないが……二時間じゃ無理だよ」


「分かった。一日でも二日でもかかっていいが、その間は俺の部屋にいさせる。全員にそう伝えておけ……彼女が、俺の伴侶であることもな」


「オーケー。じゃあな」


 瑞季が電話を切るのと、目的の階に到着するのは同時だった。


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