月の絆~最初で最後の運命のあなた~
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ひたすら狼呀は、心の中で自分を責めた。
(誘惑して手に入れて何になる!)
部屋に戻りたい本能をどうにか捩じ伏せて、エレベーターに乗り込み地下へのボタンを押す。
絆が切れているせいで、人狼としての半身は取り返そうと狂暴な気持ちになっている。
マリアの潤った熱を感じて、途中でやめる為に――あの部屋から出る為に、理性をかき集めるのに苦労した。
満月が、自制心よりも欲望を強めていたからだ。
あのままベットへ一緒に入ったら、行為の最中に殺してしまう可能性だってある。
今は、危うい橋を渡っているようなものだ。
静かにエレベーターは目的の階に止まり、狼呀は重い足取りで降りた。
「狼……来ないかと思ったぞ」
「そんな訳あるか。様子はどうだ?」
先に仕事を始めていた瑞季は、手に持っている鍵の束を振った。