月の絆~最初で最後の運命のあなた~


[二]


「エレン! ソーニャ!」


 狼呀は、遠慮することなく力任せに扉を開けて、女たちの集まる部屋へと入った。


 中にいた女たちは、はじめて見る狼呀の様子に恐怖を感じたのか、目的の人物への道を開けていく。


「狼呀……どうしたの?」


「黙れ!」


 肩を怒らせながら、二人の前に立つと恐れる匂いが鼻を突いた。


 名前を呼ばれなかった女たちは、狼呀と瑞季の後ろに移動して、無関係だとばかりに二人だけにした。


 二人は、アルファに楯突いたのだ。


 守る者はいない。


「レイラの指示か? マリアをどうした!」


「しっ知らない」


 二人は首を振った。


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