月の絆~最初で最後の運命のあなた~
静寂が辺りを包み、柔らかなレンの髪が頬を撫で、冷たい息が首をくすぐる。
痺れる感覚に続いて、脱力しそうな未知の感覚に、肩を掴む手に力が入ってしまった
「……っ……んっ!」
鼻から息が抜け、甘い声が自分の口から出たことに驚いたけど、それどころではない。
いつの間にかレンの腕は背中に回り、もっときつく抱き寄せられた。
「あ……」
吸い付く音と、レンの喉が血を飲み下すたびに上下する音で、頭がくらくらしてくる。
最初に感じた痛みは消えて、気持ち良さが身体中に広がっていき、自分がどこにいるのかも、何をされているのかも頭の中から消えていった。