月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 廊下ですれ違う男たちは、みんな物欲しげに見つめている。


 だが、手を出す奴はいない。


 レイラは、ただセクシーなだけの女ではないのだ。


 彼女に触れようものなら、きついお仕置きが待っているだろう。軽く扱えば、命だって危ないかもしれない。


 すでに、そのことを理解している同僚たちは、勇気がないのか決して手を出さない。


 守る必要がない女性とは頼もしいものだと、狼呀は誇らしげな唸り声をもらした。


「彼女は違ったな」


 思わず狼呀の口からこぼれ出た。


 昨日の彼女は、自分の知っている女たちとは違った。






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