月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 目は力強かったが、見た目は狼呀が全力で抱き締めたら壊れてしまいそうだ。


 もちろん、レイラもはじめから頼もしかった訳ではない。


 最初の頃は地味で目立たず、自信が無さそうに常に怯えている小さな女の子だった。


 いつも狼呀の後ろに隠れて、どこに行くにもついて回っていたのが、今ではあんな風になるのだから女とは怖いものだ。


 彼女だって、今は誰の目にもとまらなくても、いつかはレイラのように男の視線を集めるようになるかもしれない。


 そう考えただけで、間だ見ぬ男どもを残らず噛み殺したくなる。


 レイラの時には、芽生えなかった感情だ。


 やはり、彼女は自分だけの伴侶。


 狼呀は確信した。


 必ず見つけ出してやる。


 狼は、獲物を追い回すのが得意なのだ。





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