月の絆~最初で最後の運命のあなた~



[5]


「彼とは……知り合いなのかい?」


 部屋に戻るなり、レンはそんな事を聞いてきた。


「知り合いではない。ただ、昨日いきなり抱きついてきた変態。さっき会ったのは偶然」


「そう。彼は、友人にはおすすめ出来ない相手だよ」


「どうしたの? そんな事、レンが言うの珍しい」


「あいつは女ったらしだから、大切な友人を近づけたくないだけだよ」


 手を引かれて、化粧台に腰掛けさせられる。


 いつもと違う雰囲気に戸惑っていると、レンがキスしそうなほど顔を近づけてきた。


「ねえ、なんか変だよ?」


「いつもと一緒さ。君の血を直接……飲んだせいかな。次は、どこから吸わせてくれる?」



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