月の絆~最初で最後の運命のあなた~




 足の間に体を割り込ませたレンは、さらに体を押しつけてくる。


 自分の中に眠る危険回避能力が、あたしに警告してきたけど、これでは動けない。


「くっ、首でいいでしょ!」


 レンの手はあたしの腰を撫でながら下へとおろしていき、ジーンズの上から腿を撫でていく。


 額と額を合わせながらそうされると、レンの香りが鼻をくすぐり、血を吸われた時の甘く痺れるような感覚が甦ってきた。


「腿とか……かなり気持ちがいいと思うよ」


 耳元で甘い声で囁かれると、頭の奥が重くぼんやりとしてきて、ただレンが欲しくてたまらない気持ちになった。


 あたしは、逆らえない引力に惹き付けられるように、レンの首に腕を回した。







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