月の絆~最初で最後の運命のあなた~
入ったのは、幸運にもバスルームで鍵がついていた。
少しでも落ち着くために、あたしは鍵を閉めてから扉に背を預けて床にへたり込む。
手の中で鳴っていた電話は、いつの間にか切れていた。
何が起こったら、狼呀と一緒にベッドに入るような状況になるのか、さっぱり分からない。
頭痛がする訳じゃないから、酔っていたという事はないだろう。
だとしたら、なぜ?
思い出そうと頑張っても、疑問ばかりが浮かんで何の解決にもならない。
仕方がなく、答えを求めるように、あたしはレンに電話をかけた。