月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 入ったのは、幸運にもバスルームで鍵がついていた。


 少しでも落ち着くために、あたしは鍵を閉めてから扉に背を預けて床にへたり込む。


 手の中で鳴っていた電話は、いつの間にか切れていた。


 何が起こったら、狼呀と一緒にベッドに入るような状況になるのか、さっぱり分からない。


 頭痛がする訳じゃないから、酔っていたという事はないだろう。


 だとしたら、なぜ?


 思い出そうと頑張っても、疑問ばかりが浮かんで何の解決にもならない。


 仕方がなく、答えを求めるように、あたしはレンに電話をかけた。




< 63 / 356 >

この作品をシェア

pagetop