月の絆~最初で最後の運命のあなた~



 1コール目が終わるか、終わらないかって時にレンは出てくれた。


「マリア?」


「あ、うん。今、電話に出られなかったから……どうかした?」


 扉に寄りかかり、あたしは足を投げ出し、 息を飲んだ。


 穿いていたジーンズが消え、素足で――。


 あたしは、Tシャツの裾を持ち上げて、またしても小さな悲鳴を上げた。


「どうしたの? マリア?」


 電話の向こうから、レンの心配そうな声が聞こえてきて、震える手で口許を押さえた。


 それから、一度電話を耳から離し何度か深呼吸をする。心臓の速くてうるさい鼓動は収まらないけど、震えだけは収まった。


 泣き出しそうな震える声は出ないと確信してから、電話を耳に当てた。






< 64 / 356 >

この作品をシェア

pagetop