月の絆~最初で最後の運命のあなた~
ベッドルームから、ベッドの軋む音と女の官能的な喘ぎ声が聞こえてくる。
そして、汗と性的快感の匂いまで狼呀の鼻に届いた。
あまりの気まずさに、部屋を出ようと後ろを向くと瑞季の声がした。
「悪い。少し待ってくれ」
瑞季の声は普段と変わらない。
情事の最中とは、誰が聞いても思わないだろう。
やっぱり、出直そうと考え扉をしめると――。
扉の外にまで女の甲高い声が響き、それを最後に声はしなくなった。
微かに聞こえるのは、荒い呼吸の音。
数分後、瑞季は服の乱れ一つなくベッドルームから出てきた。
実は自分の勘違いかと狼呀が錯覚するくらい、爽やかな顔をして――。