女神の災難な休日
私は簡単な事情聴取を受ける。警察が回収した男の出刃包丁は、コンビニのアルバイトに突きつけたものと同じだったらしい。・・・本当にコンビニ強盗だったんだ、あの男。ちょっと呆れた私だった。
それから警察の中でご飯を食べさせて貰って、夜も7時、ぐったりした状態で解放された。
「・・・・・・・信じられない、もう7時じゃないのよ~・・・・」
今日が、大切な私の休日が、半日もバカ野郎のせいで潰れてしまった・・・。ああ、息子との気楽なはずの買い物デーが。
泣くに泣けないわ、そう言いながら、それでも買い物も済ませた。もういいやってなって二人で外食をし、ヨロヨロと家に帰る。
夫の彰人は今日も閉店後残業のはずだ。警察に聞いたところ、まだ家族への連絡はいってないってことだったから、彼は今日私達に起きた一連の騒動を知らない。物凄くついている。・・・絶対に、彼には、知らせてはならない。
お風呂に入れて興奮して寝ないかと思った息子が案外すんなりと寝てくれたので、私はたらたらと夫の晩ご飯を作る。すぐに食べられる状態にしておいて、もうさっさと布団に潜り込んだ。
だって、ヤツは鋭いのだ。私の体には実際のところ色々アザが出来てしまっていたし、やはり何かが顔に出てしまうことだってある。それでは困るから、寝てしまうことにした。
夢の中でも昼間の騒動の再現をしてしまった。やっぱり、興奮が落ち着いたら襲ってくるのは恐怖や焦りなのだろう。夢の中ではうまくいかず、私はたっぷりと苦しめられる羽目になったのだ。