優しいキス
彼は至って普通なのに。
一人でドキドキしているのにもバカらしくなり。
2人で飲みに行くようになったとき。
私は彼への気持ちを吹っ切った。
吹っ切るとこの距離感がすごく楽で。
女友達にはない居心地のよさがたまらなかった。
「今はあんたといると気が楽だし、素でいられるから、友達でよかったなって思うよ」
これは本音。
今を考えると、高校時代のあの時間も。
無駄じゃなかったかな、と思える。
「はい、私の暴露話終わりね。次は…っ!?」
そう言葉を発したと同時。
私の身体は彼の胸の中にあった。