優しいキス

抱きしめられてる。

そう気づくまでに時間はかからなかった。





「ちょ…離して…っ!!」

「あんな話聞いた後で離せるか」

「意味わかん…っ」

「俺だって嬉しかったよ」

「…っ!!」





そう言って腕の力を緩めた彼の顔を見上げると。

そこには。

私に“好きだ”と言ってくれた。

あの時と同じ照れくさそうな顔があった。





「…恥ずかしくて、好きだって言うのが精一杯だったんだよ」





彼はプイッと顔を背けると。

私をもう一度胸に抱き寄せた。





「言えばお前との距離が変わると思ってたのに。
お前は友達紹介してくるし、意味わかんなかった。
だから、お前の“好き”と俺の“好き”は違うんだって…そう思ってた」





トクントクンと響く胸の音が。

身体に感じる彼の体温が。

私の身体の奥の方を刺激する。




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