ストロベリー・キス

「これからはいつでも、この笑顔が見れる?」

「あぁ。俺の全部が見れるのは美玖、お前だけだ」

その言葉にかろうじて目の縁でとどまっていた涙が、一気に溢れだす。その涙を徹兄が指で丁寧に拭ってくれた。

私はいつでも、こうやって徹兄に愛され守られていたんだ。

それがわかると嬉しさと幸せが同時に込み上げてきて、徹兄にギュッと抱きついた。

「おいおい、いきなりどうしたんだよ? いきなり積極的か?」

「だって嬉しくて」

どうしようもなく愛しくて。一度動き出してしまった心と身体は、もう止められそうもなくて。

徹兄から離れられなくなってしまった。

「幸せそうなところ悪いんだけどさ。美玖と一緒に暮らすことばかり考えていて、クリスマスプレゼントを用意するのを忘れてたんだ。ごめん」

「そんなこと……。今日はいっぱいプレゼントもらったから」

私が一番欲しかった徹兄に、大好きな人とクリスマスを過ごす時間。

これ以上のプレゼントはない。

「じゃあ、美玖の大好物のイチゴを一番に食べさせてやる」

徐ろに身体を起こすと、ローテーブルの上にあるクリスマスケーキから小さめのイチゴを一粒取る。そしてそれを、自分の口の中に入れてしまった。

「私にくれるんじゃなかったの?」

恨めしそうに徹兄の顔を見れば、私に『近づけ』と手招きをした。

言われるままに身体を寄せ顔を近づける。すると徹兄の大きな手が私の頭を後ろから押え……。



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