ひとりの夜
「…びっくりしたんですけど」
「…ん?それはよかった」
きっちり乾かされた後は、やっぱり服は着せてもらえずにタオルをはぎ取られ。
軽々と抱きかかえられてベッドに放り投げられた。
で、今は、全裸の私の上に未だ服を着たままの誠一さんの唇がチュッと音をたてながら赤い印を残している。
何がよかったのか、それはさっぱりわからないけれど。
それでも何でも、諦めていたこの日に、誠一さんと会えたことは信じられなくて、でもとても嬉しいと心から思える。
それでも……どうして…?
時計は見えないけど、多分、てかきっと日付をまたいだ夜中に。それも今日という日に。
この人が家を出てこれるはずがないのに。
「さや、集中」
「んんっ、あっ」
ぼんやりと考え込んでいた私の意識を引き戻すかのような、急に身体の中心に与えられた強い刺激に思わず声が漏れる。
「そんなこと言ったって…」
異を唱えるように口を尖らせれば、噛みつくように重ねられる唇に意識を乱されて、求めるように自然と腕が彼の首に絡まる。
どうしてこの人の口づけは、媚薬のように甘くて私を虜にさせるのか。
同時に撫で上げられる胸の頂への刺激と、身体の中心に触れられる快感に、なんでも誤魔化されてきたように思う。
「さや……可愛い」
与えられる刺激にたまらず押し殺した喘ぎ声を上げる度に、耳元で囁かれる言葉。
それが脳内をも揺さぶるように心地よく響いて。
もう何も考えられなくなるくらい乱れて、揺れて、声を上げてしまうのだけれど。