ひとりの夜
「ちょっ、と。待ってください、誠一さん」
今日はそれじゃ納得がいかない。
「待って、てばっ」
スルスルと私の太ももを撫でながら、おへその辺りに唇を這わせる彼の頭をぐっとつかむ。
およそ色気とは程遠いその行動に、私を愛撫しながら器用に自分の衣服もはぎ取って、今や半裸となっている彼がようやく動きを止める。
「……なに」
不機嫌そうに視線だけを送ってくる男は、こんな時だからか無駄に色っぽい。
それに負けじと視線を絡めて。
「恭一くんはどうしたんですか」
彼の大切な息子さんの名前を出す。
まるで興ざめとでも言わんばかりにふぅっと息を吐き出した彼は、諦めたように身体を起こす。
そして、私の手首をつかんだと思うと、グイッと自分のほうに引き寄せ、容易く胸の中に収めてしまう。
そう、私はかなり小柄。身長も150㎝ないくらい。何センチなのかわからないけれど、大抵の男の人の腕の中にはすっぽりと収まってしまう。
って、そんなことはどうでもいいけど。