奇跡が降る夜
長い3日間が終わった。


毎年、この3日を乗り越えた日は疲労が半端ないけど、達成感があってすごく充実しているのに、今年は脱力感でいっぱいで、


みんながクリスマスの最後を大事な人と過ごすためにいそいそと帰る中、私は一人、厨房で道具を磨いていた。


さっき見たスマホには隆司からのメールがきていて、


“別れよう”


たった一言、それだけが書かれていた。


感情も何もこもっていない言葉。


パティシエになってから、毎年、クリスマスになると振られる。


それはもう何かのジンクスかと思うぐらいに。


クリスマスの奇跡なんて言う人もいるけど、私に奇跡なんて起こらない。


「はぁーー」

< 12 / 15 >

この作品をシェア

pagetop