奇跡が降る夜
「辛気臭いな」


「……!! さ、里見さん! いるならいるって言ってくださいよ!」


大きな溜息を吐いたところで、すぐ耳元で話かけらたからびくっとして慌てて飛びのいた。


「帰んなくていいのか? まだクリスマス間に合うぞ」


「……振られました」


なんなのよ、もう。


なんでこんなこと口にしなくちゃいけないのよ。


「ほら、やるよ」


「え?」


手渡されたのはノエルの箱で、開けると私が作るよりも美味しそうなノエルが入っていた。


きっと、里見さんが作ったものだ。


こんなに凝ったものを作れるのは里見さんしかいない。


指で掬って一口食べたら、バタークリームとラム酒風味のチョコレートの風味が鼻をくすぐる。
< 13 / 15 >

この作品をシェア

pagetop