奇跡が降る夜
「ほら、行くぞ」


「え?」


「ほら、さっさと片付ける!」


それだけ言うと裏口の方へ行ってしまった。


言われるがままに片づけ、里見さんを追いかけると外で煙草を吸っていて、


「よし、ラーメン食いにいくぞ」


「え? ラーメン?」


「そう、可哀想な神崎のために温かいものでも奢ってやろうと思って」


厭味ったらしく言う里見さんに、多少腹が立つもののクリスマスに誰かと一緒に過ごす事を嬉しく思ってしまう。


「……女の人が待ってるんじゃないんですか? 今日は何の日かちゃんと分かってます?」


可愛げなく言ってしまうのは、偉そうな里見さんへの対抗心と嬉しさを隠すため。


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