奇跡が降る夜
「じゃあ、いつも通り、23日から準備よろしく」


「了解です」


里見さんに背中を向けて道具を片づけ始めた。


けど、


「……何ですか?」


厨房を出ていく様子もなく背中にずっと視線を感じていたから声をかけずにいられなくなり振り返ると、里見さんが顎に手をやって腕を組んで私をじっと見ていた。


「お前、クリスマス大丈夫なのか?」


「え?」


「最近、彼氏できたんだろ? 店で話のネタになってんじゃん」


「ネタって…… いますけど、大丈夫ですよ。ちゃんと私の仕事を理解してくれている人ですから」


笑顔でそう言うと、「そっか、それなら良かった」と安心したように笑顔を返してくれた。

< 4 / 15 >

この作品をシェア

pagetop