奇跡が降る夜
「私の事よりも里見さんの方こそ大丈夫なんですか? クリスマスなんてイベント、女の人が放っておかないでしょ」


「あー、俺、彼女いないしな。まぁ誘いはたくさんあるけど」


少し皮肉を込めて言ったのに、ドヤ顔でふふんって鼻で笑うから呆れてしまった。


28歳で3店舗を持つ若き経営者。


容姿も良くて非の打ちどころがなくて、女の人には不自由しないだろうなと思う。


だから、クリスマスだからって特別に過ごす必要はないのかも。


「何? 何か付いてる?」


「えっ、あ、ごめんなさい。大丈夫ですよ」


おもわずジロジロ見過ぎてしまった。


すごく恥ずかしい。


「じゃあ、今年もよろしく」


「はい、任せてください!」


元気よく返事をすると、「気をつけて帰れよ」と言い残して里見さんは厨房を出ていった。


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