もうひとつの偽聖夜
そしてつい。
「そ、そうか。あいつは2号だからな、仕方ない」
そうやって、シュウからの手紙を受け取ってしまった俺がいた。
やおちんの書いたイラストのサンタが、俺の行く末をだまって見つめている。
俺はしばらくシュウから預かった手紙を見つめると、思わず口を開いていた。
「つうか、シュウ、どうして好きでもないのに、野球なんかやってるんだよ」
「……うんとね。あのね、野球をすればパパが喜ぶんだ。パパは、野球が大好きだから。自分もずっとやってたから、僕とキャッチボールがしたいって言うんだ」
――なんだと?
「なのに、サッカーなんかやりたいって言ったら、パパきっと悲しむよ」
「バカじゃねえのか!シュウ!お前、ガキなんだから、そんなところに気ぃ使ってんじゃねえよ。ガキはガキらしく、鼻垂らしてやりたいことやってたらいいんだよ!ガキが親を気遣ってどうすんだよ!親は、子どもがやりたいことやってくれたらそれだけで喜ぶんじゃねえのか?」
シュウが、驚いた表情で俺を覗き込んだ。
「え?もしかしてサンタ1号、マサ兄なの?」
――ヤバイ!
「い・いや、なななな、なにマサ兄?誰のことだね?サンタ1号はマサ兄なんて知らないな」
その時――
『ゆめさきドリームス』の、集合時間を告げるアナウンスが流れていた。