婚カチュ。
わたしは持っていたタオルを松坂の濡れた頭にかぶせた。
両手を伸ばして弟の頭を拭いてやるようにわしわしと手を動かしていると、反対に両方の手首をつかまれた。
音のない部屋で、心臓が静かに響いている。
彼は頭からタオルを取るとわたしの肩にかけた。
柔らかな布地の両端を持ち、濡れた頬を包むように両手でわたしの顔を覆う。
哀しげな瞳にじっと見下ろされる。
静かに上を向かされ、下りてきた唇に口を塞がれた。