婚カチュ。
優しい口づけは少しずつ性急なものに変わり、何度もついばまれたあとで舌を差し込まれた。
深くまでえぐるような動きに息が上がり、吐息交じりの声が口から勝手にこぼれていく。
不意にからだが浮いた。
ちいさな悲鳴は彼の口腔に吸いとられる。
わたしを抱えてベッドの淵に座らせると、松坂はふたたび唇を合わせた。
丁寧に口内をなぞり、舌に吸いつき、犯すように、慈しむように、わたしの唇を貪り続ける。
やまないキスに翻弄されてしまう。
強い想いが流れ込んでくる。
肩で息をしながら、彼はわたしをベッドに押し倒した。
首筋に顔を埋め、音を立てて吸い付く。
くすぐったさに耐えながら天井を見上げると、オレンジ色の薄暗い照明が鈍い光を注いでいた。
「はあ、先輩」
苦しげにうめき、松坂はキスをしながらわたしのブラウスのボタンを外した。