銀髪姫と不良幹部
「私はな、本当は養子なんだ」


「養子?」


呟いた面子に微笑む。


中には不思議そうな顔をする者、驚く者。


たくさんいる。


私が養子だとは誰も思わなかったのだろう。


そんな素振り、みんなには見せたことなかったしな。


「私を拾ってくれたのは今の両親だった」


私を見つけてくれたのは、空にぃなんだけどな。


空にぃが見つけてくれなかったら、今頃私はどうなっていたか。


そんな事を考えながら、私は話を続ける。


「実の娘のように愛してくれる両親が好きだった。両親には恩がある。ワガママは言わないようにしようと決めていた」


< 346 / 429 >

この作品をシェア

pagetop