溺愛†マドンナ
私達の周りを、フワフワと大量のハテナが飛び交う。


すぐ隣にいるはよの強い眼差しから、緋ノ戸君は目を逸らした。


「別に……理由なんて無いよ……」


いつもはヤンキー男子3人の中で1番明るい緋ノ戸君が、誰の目も見ようとしない。


静帆がゆっくりと、そんな緋ノ戸君に近づいて行った。


「緋ノ戸君………アナタもしかして、はよの事覚えてるんじゃないの?」


え………っ!?


唐突過ぎる静帆の質問に、私は目を見開いてしまった。


剣君と柿出君は静帆の問いかけの意味が分からなかったのか、首を傾げて静帆を見ている。
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