溺愛†マドンナ
『なぁオレ、是非とも世那とお近づきになりたいんだけど……いいよな?“王子様”』


そう言って不敵に笑った剣の顔が、頭から離れない。


黒板に文字を書き、何やら話している先生の言葉も、耳に届かなかった。


アイツは絶対、世那を気に入っている。


まだ“好き”とまではいかなくても、絶対他の女子生徒よりは好印象を持っている事は確かだ。


じゃなきゃ女嫌いと言われてる剣が、あんなに世那に話しかけるハズが無いし………


「あんなヤツに………負けて堪るかよ……」


オレと世那は、もうかれこれ15年近くずっと一緒にいたんだ。
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