初恋*




風が冷たい。もう12月だもん。
さすがに手袋なしの自転車はダメだったな。


「はぁ。はぁ…」


そっか。沙希か。
沙希、可愛いもんね。

あたしみたいな男勝りな女の子じゃなくて
ふわっとしてて…
なんていうか空気の入った生クリームみたいな。



「はぁ。はぁ…」


甘くて美味しそうな、女の子。
そっか。アイツはそういう子がタイプなんだ。



「はぁ。はぁ…」


そりゃあ、さ。
あたしだって女の子扱いされたかったよ?
でも、今さら「奏多ぁ」なんて甘えたって、ねぇ…。



「はぁ。…上り坂、ツライな」


うん。ツライよ。
ほんとツライ。

あたし、アンタを想いすぎて、涙が出る女の子だって

知ってた?


ねぇ、奏多。
知ってた?ーーー…





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