信愛
話に華が咲いてさなか、愛ちゃんが

愛「凌君、さっきからこっち、チラチラみてる  よ。」

と、言い出した。

(まさかぁ~)

と思いつつ、あたしも凌君のほうをチラ見する。

目があった。

(うっわ、恥ずかしい。)

あたしは思わず目をそらした。

あたしは、凌君のこと気になりながらも、茉莉ちゃんと話し込んでいるよう振舞った。

気がつくと愛ちゃんが隣にいない。

(あれ?)

と思ってると、小上がりから愛ちゃんが戻ってきた。

愛「凌君が、里緒菜にこっち来いっていってる  よ。」

里緒菜「え?なんで?なんの用?」

愛「いいから行っといでって。」

里緒菜「えー。もぅ、なんだよ…」

と、面倒くさそうに腰を上げた。本当は、すごく嬉しいくせに。

やっぱり、あたし素直じゃない。

愛ちゃんも茉莉ちゃんもニヤニヤしながら行ってこいって、言ってる。

あたしは、嬉しい気持ちをひたすら隠して、凌君のいる小上がりに向った。
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