極上の他人


「誠吾兄ちゃんって、ふみちゃんのお兄さん?」

小さな声で、艶ちゃんが聞いてきた。

「ううん。正確にはおじさん。今仕事でアメリカにいるんだけど、輝さんの大学の先輩なの」

私もひそひそと耳打ち。

艶ちゃんはふーん、と一言呟いた。

「輝さんって、近くで見ても男前。かなりふみちゃんを大切にしてるんだね、羨ましい。
羨ましいついでにお願い、これ、輝さんに渡しておいてよ」

「え?」

艶ちゃんが鞄から取り出したのは彼女の名刺で、会社の連絡先しか書いていないそれに、素早く自分のメアドと携帯番号を書くと、にっこりと笑った。

「そのうちマカロンに飲みに行きたいから、空いてる日を連絡くださいって、言っておいて。お願い」

「え?艶ちゃん」

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