極上の他人


目の前に広がるのは大きな池。

今私たちが立っている向こう岸にもモデルホームが整然と並んでいる。

この展示場は、敷地内の大きな池に杭を打ち、その上にモデルホームが建てられている。

水面に映りこむモデルホームが揺らめき、日差しの眩しさも相まって、まるで写真に撮っておきたいと思うほどの色鮮やかな景色。

何度か噂では聞いていたけれど、本当に綺麗な風景だ。

これが実際に人が暮らす街なら私もすぐにでも引っ越したくなるほど。

艶ちゃんも眼前の風景に見とれながら口元を緩ませている。

彼女はもともとデザインを専攻していたから、インスピレーションがわくのかもしれない。

「この橋の上で告白すると、思いは成就するらしいぞ」

「え?」

振り返ると、水川さんが笑いながら肩を竦めていた。

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