極上の他人


男性から声をかけられて、驚いた顔で立ちすくんでいる真奈香ちゃん。

思いがけない人と会ったのか、言葉も出ないようだ。

ただでさえ大きな瞳が更に大きく見開かれて、本当に美人だな、と思うのは私だけではないようで、近くを歩いている男の子もちらちらと真奈香ちゃんに視線を向けている。

真奈香ちゃんは、そんな周囲からの視線に気づかないまま、目の前に立つ男性を見つめたままだ。

そして、私はその男性の後ろ姿を呆然と見つめている。

とくんと、跳ねる心臓に痛みを覚えながら、横付けされた車に視線を移した。

「……あの車」

見覚えのあるその車は、今朝、私が会社まで乗せてもらった車と同車種。

シルバーが日光に反射して眩しいけれど、何度見ても、あの車は輝さんの車だ。

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