極上の他人


それに、どうして輝さんは私をここに連れて来たんだろう。

真奈香ちゃんとかわしていた言葉を思い出せば、彼女に頼まれて私をここまで連れてきたようだけれど。

お母さんの新しい家族と私を会わせるのが目的でここに連れてきたんだろうか。

「史郁、お前のお母さんは、再婚したんだ。そして、再婚相手の娘である真奈香ちゃんと三人でこの家で暮らしているんだ」

予想通りの説明に、私は輝さんの胸に顔を埋めたまま小さく頷いた。

その瞬間、輝さんが私を励ますように背中をすっと撫でる。

「聞きたくないとは思うけど。この人は、自分が好きな男と一緒に生きる為に史郁を捨てたんだ」

私の気持ちを気遣いながら、敢えて感情がこもらない口調で話す輝さんに、再び私は頷いた。

「再婚して、子供がいるっていうのは知ってました。昔……じいちゃんとばあちゃんが話していたのをこっそり聞いたから」

お母さんが再婚したことを知って、私が更に傷つかないようにじいちゃんとばあちゃんはそのことを秘密にしたまま亡くなったけれど。

その事実を知ってから長い時が過ぎているせいか、今では以前ほどの苦しみは感じない。

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