極上の他人


「ごめんなさい。史郁さんと話をしたくて、輝先生にお願いしてここに連れて来てもらったんです。輝先生は、史自分も同席していいのなら連れてくるって言って……」

「え?私と話って、どうして……?それに、輝先生って一体」

「あ……輝先生は、以前通っていた塾の先生なんです。……えっと、それで……今日は私の自己満足の為だと言われても仕方ないんですけど、史郁さんに謝りたくて」

「あ、謝る?」

「はい。ママが史郁さんではなく私を選んだこと……それに、パパの会社の為に史郁さんの大切な思い出を奪ってしまって……ごめんなさい」

真奈香ちゃんは私の側に立つと、深々と頭を下げた。

長い髪がさらりと落ちて揺れている。

「えっと、謝られてもよくわからないんだけど」

「本当なら、ママは私ではなく史郁さんを大切にしなきゃいけなかったのに、パパがママを諦めなかったから」

「あ、真奈香ちゃん、頭を上げて。私にはよくわからないし……ママって、お母さんのことだよね?それって……」

私は肩を震わせ頭を下げる真奈香ちゃんの側に近づこうと、輝さんの腕の中から抜け出した。

真奈香ちゃんが必死に話す言葉を完全に理解できたわけではないけれど、彼女がかなり傷つき、私への謝罪の気持ちに溢れていることだけはわかった。

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