極上の他人
そしてそれは、私の運命にも大きく影響した。
もしも輝さんが『マカロン』で働いていなければ、輝さんと亜実さんが知り合うこともなかっただろうし、私とのお見合いの話を亜実さんが思いつくこともなかったはずだ。
私と輝さんの縁が重なることもないまま……私は相変わらず自分を可哀そうな子だと思いこみ、決して前向きではない日々を過ごしていたんだろうか。
「……どうした?」
「え?」
「緊張しているのはわかるけど、これで人生が決まるわけじゃないんだから、気楽にいけよ」
「あ、……うん」
ははっと声をあげる私のから笑いに、輝さんはちらりと視線を向けた。
会社にはもうしばらくで着いてしまう。
そう思いながら、私は気持ちを切り替えるようにふっと息を吐いた。