極上の他人
「え?どうしてそれがわかったの?……私だって最近そう思うようになったのに、輝さんもやっぱり私が弱くなったって思ってた?」
思わず出た大きな声に自分で驚いた。
仕事で煮詰まることが多くて、それに比例して自分に自信がなくなっていく。
輝さんと出会って、小さな頃から私が抱えていた寂しさと苦しみによって隠されていた本来の強い自分が引き出された。
輝さんに徹底的に愛されて、私は「地に足をつけて、自分の将来をつくりあげる」ことができるようになった。
それは私がもともと得ていた強さであり、両親に愛されずに育ったという特殊な状況がその強さを隠していたと。
そう言ってくれる輝さんの言葉はきっと正しい。
輝さんに愛されるようになって、その愛に応えるためには私自身が強くならなければいけないと思って仕事に励んだ。
輝さんに会いたくてもその気持ちをぐっと抑え、仕事優先で長い時を過ごし、輝さんを待たせるなんていう贅沢な時間を経て。