極上の他人
単なるお見合い相手、それも、私を受け入れてくれなかった輝さんに、私の気持ちなんてわからないし、今日このまま帰ったら、きっともう会いに来ることもない。
そんな輝さんへのどうしようもない感情が私を更に煽り、興奮したままで、激しい言葉を次々と放ってしまう。
「輝さんだって、今日帰ったらそのまま私のことなんて忘れて見捨てるんでしょ?だったら同情しないで。私を好きじゃないなら放っておいてよ」
大きな声で叫んだ私は、そのまま声をあげて泣き出した。
輝さんの胸に顔を埋めて、溢れる悲しみをそのまま吐き出すように必死で泣いた。
小さな頃からずっと抑えてきた感情が全て流れていくように、私の涙は止まる事なく頬を濡らし、輝さんのシャツにも広がっていく。