歩き出せ私たち
「なんで、そんなカッコ悪いこと、はっきり言えんの?」
「カッコ悪いことなんかじゃないよ。」
「は?」
「男と女なんだから、何があってもどうなっても、そんなの分からないでしょ。」
「男と女って・・・」
トモヤが後頭部を掻く。
「・・・男なんて、思ってもねーくせに」
ぽつりと呟かれた、今にも消えてしまいそうな、小さな小さな言葉。
さらに深く、うつむいた横顔。
「どうせお前だって、からかうつもりだったんだろ?・・・あいつみたいに」
「あいつ?」
「アキナ。」
「なんか、あったの?」
「・・・・・大したことじゃ、ねーけど」
そうして彼は、思い唇を開くのだった。
思い出したくない記憶を、手繰り寄せるように。