魁龍



階段を登りきり、幹部室のドアを開ければ、




柊「...遅かったな」




入った途端、奥の一人がけソファーに座る柊がそう言ってきた




『あぁ、ちょっと話し込んじゃってな。...ここの奴等、いい奴等だな』




あたしが少し笑いながらそう言えば、




柊「...当たり前だろ」




そう言った柊の顔は、いつもの無表情だったが、心なしか嬉しそうだった




他の奴等も、何処か嬉しそうだ





...やっぱり此処は、温かいな





あいつら、今何してるかな





魁龍の仲間達の事を思っていれば、





星「あ、そういえば、もうすぐ暴走の日だよね!今年はレオも居るから、ますます楽しみ!」




...ん?暴走?




『...暴走?いつやるんだ?』




そういや、あたしら魁龍も暴走する日が、近いな




確か、1週間後だったような...




何て呑気に考えていれば、柊の次の言葉で、あたしの思考が停止してしまう





柊「...あぁ。...1週間後だ」





『......は?』




...え、1週間後...?





あたしが固まっていれば、




瑠「...どうしたんですか?固まって...」




瑠希が不思議そうに聞いてくるが、それには答えられなかった





...何で、魁龍と一緒の日に、此処も暴走するんだ?




そんな疑問が頭を埋め尽くす




でも、考えても分からないから、何とか平常心を保って、




『...何で、その日に暴走するんだ?』




そう聞いた




怪しまれないかと内心ビクビクしていたが、




星「あ、そこ気になっちゃうー?あのね、」




普通に答えてくれた星にほっ、と安心しながら、続きを待つ





...だけど、その続きの言葉にまた、あたしは固まってしまった











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