私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。



低い声が、天井まで響く。





「…そこ、俺の場所なんだけど」







――静まり返る会場。




私は耐えられなかった。
 









……知らなかったから。



私よりも、この人は上をいっている。





「……っ」




プライドばかり高くて、自己満足。



そんなつまらない人間こそが、私だ。








隣を睨むと、相手も睨んでいた。
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