願恋叶
辛くて、苦しくて、悲しくて
私の心は悲鳴をあげていた。
朝の会が終わって一時間目は体育だった。
体育の授業は1組と2組、3組と4組とが合同で行われる。
3組には悠里(ユリ)という友だちがいる。
悠里も私と同じ塾で相談相手の一人だ。
運がいいことに私は悠里と体育のグループが同じだった。
私が体育館に来た瞬間、
悠里は私の変化に気づいてくれた。
「柚?どした?」
「うー。ゆりぃー。」
「どしたの?」
半泣き状態の私の側に悠里はずっといてくれた。
「あのね…やっぱり嘘じゃなかったの…。
たむちんね…彼女がいたの…。
私…どうしたらいいのかな…。」
「そっか…。辛かったね。
泣きたいなら泣いていいよ。
あたしが側にいるから。
どうするかは落ち着いてから考えよう?」
「悠里…。ありがと…。」
そういって私は悠里の隣で静かに泣いた。