善人ヲ装ウ、正直ナ悪党。
「ワタシには愛社精神がありますので、会社を訴える気などサラサラありませんよ。 訴えるのは課長のみです」
ワタシの言葉に、さっきまで気持ち悪い笑顔を浮かべていた課長が固まった。
そして、無言で席を外した。
・・・・・・・オイ、シゴト置いてけよ。 やる事ないやんけ。
課長が出て行った方向を睨みつけていると
「藍、やりすぎ。 怖すぎ。 気強すぎ」
背後から大貴がやって来て、ワタシの頭に『ポン』と手を乗せた。
振り向くと、大貴が呆れた顔で『まぁでも、スッとした』と笑った。
大貴は、こんな顔も性格も良くないワタシを好きでいてくれる。
再確認。
やっぱりワタシは、大貴が大好きだ。