愛し*愛しの旦那サマ。
「あのね、臣くんはモデルや俳優並にカッコいいし、頭も良くて、収入も安定してる。確かに、そんな相手と結婚できた幸代を羨ましがる女はたっくさんいると思う」
でもね、
と、理沙子が続ける。
「アンタのその変態気味な性格を考慮したとしても、結婚までして、しかもまだ新婚なのに、冷たくあしらわれながら一つ屋根の下で生活するのは私にはムリだわ」
友人としてなら、臣くんタイプの男でも普通に付き合いは出来るけど、結婚相手としては私は無理。
と、理沙子は愛の軌跡展示コーナーを離れてダイニングテーブルの椅子に座る。
変態気味……
って、親友にそりゃないよ。
まぁ、大好きな理沙子だから許すけどネ。
けど、こんな私に対して幸せかどうか聞いちゃうなんてさぁ、理沙子ったら心配屋さんネ。
「そう?私、すっごい幸せだけど。臣くん、LOVE」
「うん。ずーっと、アンタたちを見てきたから、アンタが臣くんをバカみたいに好きなのは知ってるし、幸せって答えるのもわかってる」
「じゃあ、何で聞くの?」
私は少し眉を眉間に寄せる。
理沙子はアールグレイティーをくいっと飲み干して、
「ふとした瞬間に不安になったりしないのかな、って思って」
そう、私を見て言った。