愛し*愛しの旦那サマ。

ひゅるり~

と、夜風に落ち葉が舞う。


秘書藤枝の姿が見えなくなった後。

幸代、マワレミギ。

そして、


「臣くんっ!」


と、臣くんに駆け寄り、薄手のコートごとしがみ付く私。


「臣くんっ!大丈夫だった!?」

「……何がだよ」

「事務所の女性社員、特に今の藤枝ってコから何もされてないっ!?」

「だから何をだよ」

「何を……って、無理矢理お酌されてどんどん飲まされたり、酔ったフリして必要以上に近付いてきて、ボディタッチされたり、酔った勢いにまかせて抱きつかれたり、酔っ払い過ぎた隣りの女にリバースかまされたりっ!とにかく、色々っ!!」


飲み会の席で獲物を見つけた女の行動パターンを今思いつくだけ挙げてみた。

そんな私の必死の言葉に、臣くんは、


「大丈夫もなにも、ずっと所長や副所長に捉まってた。それに、無茶な飲み方して隣りのヤツに迷惑極まりない事するようなヤツは滅多にいない」


臣くんの言葉に、ひとまず安心。(所長サン、副所長サン、グッジョブ!)


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