愛し*愛しの旦那サマ。


そんな感じで、翌日。

幸江、櫻井家に傷心旅行最終日。


臣くんが出勤して二時間後。


「もー、アンタ……寝相サイアク……いきなり抱きついてきたと思ったら、左フックされたんですけど……」

「あーっ、また夢に出てきたから、つい、やり残したことしちゃったんだー」

「私はアンタの元カレじゃないのよっ!姉よ、姉っ!!」

「そんなの見ればわかるしー」

「……(ホントニ、モウ……!)」


結局、

いつ仕掛けられるかわからない、幸江の寝技(?)に神経を集中しすぎて寝付けず……

何とか、今朝は五時半に起きたから良かったものの、毎朝恒例の臣くん一人鑑賞会中に睡魔に襲われて……

慌てて目が覚めた時は、臣くんは既に出勤した後。

お見送りが出来なかったという、まさかの事態……

しかも、なぜか、ベッドに横になって寝ていたという本格寝の状態―…(無意識ニ移動シタ?)

っていうか、臣くんも起こしてくれれば良かったのにぃ……


という経緯を経て、午前中から非常に疲れていると、


「じゃー、アタシ、そろそろ帰りまーす」


メタリックピンクのキャリーケースを持つ幸江。


どうやら、お帰りの時間が来たらしい。


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