愛し*愛しの旦那サマ。


「まー、おねーちゃんと、臣くんには突然お世話になったからー、一応のお礼というコトでー」

じゃー、帰りまーす、


と、回れ右をする幸江に、


「変なオトコに、ひっかかりなさんなよー」


御守りをぎゅっと握り締めて、声をかける私。

すると、幸江はまた、くるっと、こっちを振り向いて、


「どーせ、ひっかかるなら臣くんみたいなヒトにしまーす」


毎度の口調で、そんな事を言う。

そんな妹に、


「何言ってんの。臣くんタイプはひっかけてもらうんじゃなくて、こっちからひっかけないと」


櫻井S代、再び経験者談のアドバイス。


「それは、どーも。ありがたく参考にさせてもらいまーす」


右手をヒラヒラとさせて、幸江はそう言うと、


「じゃあねー」


と、私に背を向けて、駅の方向へとキャリーケースをガラガラとひっぱって行ってしまった。




まぁ、何だかんだで―…

仲の良い、Wサチ姉妹でございます。



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