愛し*愛しの旦那サマ。
そして、父の言う“イケメン”とは、勿論、愛娘の婿、臣くんの事。
しかし、肝心の臣くんの了解を得ないままの約束ということで、
しまった―…!
と、思い、慌てて、櫻井家へ連絡を入れたというわけだ。
「何それっ!かなり迷惑な話なんですけどっ!そんなに行きたいなら、お父さん一人で行けばいいじゃんっ!」
『いや、さすがに一人でそういうお店に行くのは愛する母さんに申し訳なくて……』
「じゃあ、行くなっ!」
『そ、それはそれで鶴子さんに申し訳なくて……』
「じゃあっ、何で誘う相手が臣くんになるのっ?!娘に申し訳ない気持ちはないってわけっ!?」
『だ、だから、こうして、父さんなりに申し訳ない気持ちを前面に出して連絡をだな……』
くぅ~っ……!
そんなもじもじ口調で申し訳なさを現されても快くオッケーできるかぁっ!
『幸代……っ!あの店は当時、中間管理職で色々と気苦労耐えなかった父さんの家庭以外で唯一の心のオアシスだったんだ……どうか、このとーりっ……!』
この通り、臣くんを本日一夜、お貸し下さい……!
と、佐藤貫一、懸命の説得。